一人ひとりに合わせた予防法
むし歯や歯周病が発症するまでのプロセスには、“生活習慣病”の側面に加え、“感染症”の側面があります。(歯周病については遺伝的側面もあります)。そのため、本当に予防を実現するためには歯科衛生士が知識やスキルを磨くだけではなく、 “患者さんの理解と協力”が必要です。
患者さんの口腔内の現状、今後の見通しや対策について歯科衛生士と患者さんが同じ視点で共有することから予防は始まります。そこで必要なのが「リスク評価ツール」。
言葉だけで説明すると、知らず知らずにお互いの間で認識のギャップが生じます。「リスク評価ツール」を活用すれば、患者さんと同じ認識のもと同じ方向を見て、スムーズにコミュニケーションをとることができます。
1. 将来の予測に基づいたむし歯予防
2. 確実に効果をあげる“むし歯予防プログラム”
3. 将来の予測に基づいた歯周病予防
1. 将来の予測に基づいたむし歯予防
むし歯のなりやすさやその原因は、人によって大きく異なります。同じような生活をしていてもむし歯になる人とならない人がいるのは、目に見えない原因がそれぞれ違うからです。この見えない原因がわからなければ、歯磨きや食生活をどんなに気をつけてもむし歯になってしまう可能性があります。むし歯が発症する前に、むし歯のなりやすさ、つまり将来むし歯になるかもしれない“リスク”を把握することが大切。
だ液検査(デントカルトシリーズ)では、むし歯の原因となる細菌や歯を守る働きをするだ液についてなど、目に見えない原因を知ることができます。

<だ液検査でわかること>
◆ だ液分泌量(デントカルト「SM」or「LB」or「デントバフストリップ」に添付のパラフィンワックスにて測定可能)
むし歯から歯を守るためには、だ液の量が多いほど有利です。
だ液検査では、特に緩衝能の高い「刺激時だ液」の量を測定することができます。
◆ だ液緩衝能(デントバフストリップス)
だ液緩衝能とは、食事などで酸性に傾いた口腔内を中性に戻す力のことです。だ液の量とともに、このだ液が持つ力もむし歯の発症に大きく関わってきます。採取した刺激時だ液を検体に、だ液緩衝能がどのくらいあるかを測定します。
◆ ミュータンス連鎖球菌の感染レベル(デントカルトSM)
むし歯のきっかけとなるミュータンス連鎖球菌は、歯などの硬いところに住み着き、増殖します。また主に、子育ての時期に母親のだ液を介して感染。デントカルトSMでは、プラークまたはだ液を検体に、ミュータンス連鎖球菌の感染レベルを知ることができます。
◆ ラクトバチラス菌の保有量(デントカルトLB)
むし歯を進行させるラクトバチラス菌は、発酵性炭水化物の摂取量が多いと増えやすいことがわかっています。これは、食生活の乱れを知る目安に。また、矯正装置や不良補綴物など停滞部位が多い環境でも増える傾向にあります。デントカルトLBは、だ液を検体にラクトバチラス菌のレベルを知ることができます。
◆ 口腔カンジダ菌(デントカルトCA)
口腔カンジダ菌の量が調べられます。だ液分泌の少ない方や口腔内の清掃が十分でない時。また、免疫力が低下しているときなどに多く見られます。
2. 確実に効果をあげる“むし歯予防プログラム”
目に見えない原因がわかったら、それをもとにその人にとって今一番効果的な“むし歯予防プログラム”を立案します。この時に役立つのがカリオグラム。検査結果を入力すると、このままの生活を続けた場合、将来むし歯を避けられる可能性(%)や、効果的な対策が一目でわかります。また、予防プログラムをシミュレーションし、その効果を数値で確認することが可能です。

3. 将来の予測に基づいた歯周病予防
サイレントキラーと呼ばれる歯周病は、かなり進行しないと患者さんの自覚症状が現れない病気です。そのため、いち早く今の状態や将来進行する危険性を知らせる必要があります。
とはいえ歯周病は、専門医であっても正確に診断することが難しい病気。同じクリニックのドクターや歯科衛生士の間で、その捉え方にばらつきが出てしまう可能性があります。
患者さんの歯周治療・歯周メインテナンスを長期にわたって成功に導くには、ドクター、歯科衛生士、患者さんが同じ現状認識と将来の予測に基づいて、協力していくことが大切。そのために必要なのが、歯周病リスク評価OHIS【Oral Health Information Suite】です。
正しく判定したのは20%の人だけ。
多くの専門家は現状より甘く(アンダートリートメント)見積もってしまう。
〈OHIS 【Oral Health Information Suite】でわかること〉
OHISとは、わかりやすくいえば“歯ぐきの健康診断”。
OHISをすることで、次の2つがわかります。
①自分の歯周病の現状。100段階の数値で病状を表示。
②自分が歯周病になりやすいかなりにくいのかをリスク1~5の5段階で表示。
患者さんも歯科医療従事者も、歯周病の認識しづらい病状をシンプルな数値と図で理解することができます。
評価に必要な項目はこちら↓
http://www.ohis-j.com/pdf/support.pdf








