III世界のエビデンスを
日本へ
「日本に予防を普及する」という
明確なビジョンを持って始まったオーラルケア。
アクセルソン講演会以降、
オーラルケアは本当の予防歯科に取り組む
世界の研究者に協力を仰ぎました。
その結果、オーラルケアのビジョンに共感してくれた海外研究者と、現在に至るまでパートナーシップを結んでいます。
予防のプロフェッショナル
「歯科衛生士」の
技術を日本へ
予防を患者さんに提供するプロフェッショナルが「歯科衛生士」です。アクセルソン博士の「成人に対する30年にわたる長期予防臨床研究」では、「歯科衛生士というプロフェッショナルが関与して初めて、97.7%歯を守れる」という事実が明らかになりました。
歯科衛生士の仕事がどれだけ意味のあることなのか。その仕事がどれだけ予防に効果があるのか。歯科衛生士は、どれだけ必要な存在なのか。これらも臨床研究の結果わかったことです。
この臨床研究に大きく貢献したのが、アクセルソン博士の右腕と呼ばれる歯科衛生士のブリギッタ・ニーストレン女史。世界で初めてPMTC(プロフェッショナルケア)を患者さんに提供した歯科衛生士でもあります。
オーラルケアは、1993年に初めて日本にブリギッタを招聘し、日本の歯科衛生士に向けて研修会を開催。以降、毎年開催しており、現在に至るまで約1万3千人の歯科衛生士が彼女から直接 「歯科衛生士として患者の口腔を守るのに必要な知識」を学んでいます。
患者さんに行動変容を起こす
だ液検査キットを日本に初めて導入
日本でむし歯の治療といえば、患者さん一人ひとりの原因を追究することなく、削って詰めるという対処療法的なものしか行なわれてきませんでした。しかし、削って詰めても原因がなくならなければむし歯を予防することはできません。
むし歯は一人ひとり異なる生活背景や習慣、食べ物の嗜好や細菌など、さまざまな要因が絡み合って発症する病気です。確実に予防するためには、口腔内だけでなく、目に見えないその人自身のリスク情報を得たうえで診療しなければなりません。また、歯科医療者だけがわかるのではなく、歯科医療者と患者さんとが同じ視点に立ってリスクを理解する必要があります。
これらを実現するために、元WHO顧問でありスウェーデン王立マルメ大学歯学部名誉教授の故・ダグラス・ブラッタール教授が開発したのが、だ液検査キット『デントカルト』とカリエスリスク評価ソフト『カリオグラム』です。このツールによって、患者さんの細菌の量やだ液の質がひと目でわかるようになりました。また、データをもとに一人ひとりに合わせたむし歯の要因を示すことで、患者さん自身が「どのように予防したら良いか」を考えて行動するようになる教育を提供できるようになったのです。
オーラルケアは、『デントカルト』と『カリオグラム』を日本に初めて導入。1992年にはダグラス・ブラッタール教授を招聘し、初来日講演を開催しました。対処療法だけでなく、むし歯の原因に目を向ける歯科医療が日本で動き始めたのです。
“魔法の甘味料”キシリトールを
日本人の生活に取り入れる
今では、「キシリトールは歯に良いもの」とよく耳にします。1975年にキシリトールのむし歯予防効果を発見したのが、フィンランド・トゥルク大学名誉教授のカウコ・マキネン教授です。キシリトールのメカニズムを研究する生化学者として、現在でもフィンランド国内外で調査研究に取り組んでいます。
マキネン教授は、フィンランドのトゥルク市で砂糖をすべてキシリトールに置き換えた食事を市民に提供する実験を実施。すると、むし歯が激減したのです。甘味料が予防につながるということ、さらには砂糖を置き換えなくてもキシリトール入りのガムを噛むことで同等の予防ができることを証明しました。以上から、フィンランドではキシリトールが歯科医師会によって国民に推奨されるように。1997年には日本でようやくキシリトールが食品添加物として認可され、ロッテが『XYLITOL』の商標を獲得しました。
そして2000年、オーラルケアは当時まだ無名だったカウコ・マキネン教授を招聘し、「魔法の甘味料」というタイトルで講演会を開催しました。このとき、日本に初めてキシリトールの存在を紹介。ロッテと提携して市販品とは異なる「キシリトールの含有量が100%のもの」を共同開発し、現在に至るまで普及し続けています。この製品を歯科専用として歯科医院から患者さんへ提供する目的は、摂取方法や活用方法などを患者さんに正しく情報伝達し、キシリトールの予防効果を最大限に活かすということ。キシリトールを活用することで、患者さんは生活に取り入れやすい形で予防に取り組めるのです。
将来を予知できる
「歯周病リスク評価ソフト」を
日本の歯科医院へ提供
歯周病が進行し、口腔内が破壊されてしまった患者さんを前にした歯科医師は、「こんな状態になるのを、もっと早くから予知できなかったのか」と考えるでしょう。その問いに対する答えは「イエス」であり、キーとなるのは「リスク評価」です。
歯周病に対する従来の診断は、「現在の状態」と「過去の病歴」という2次元的なものでした。この診断に将来の疾患の状態を予測する「リスク」という3つ目の次元を加えることで、歯周病のなりやすさを踏まえた計画を立てることが可能になります。
元ワシントン大学歯学部教授のロイ・C・ペイジ博士は、歯科疾患に関するリスク評価の研究を長く続けてきました。中でも、「歯周病のリスク評価に関する手法」について研究。その画期的な成果を注ぎ込んだのが、歯周病リスク評価ソフト「OHIS」です。
オーラルケアは「う蝕も歯周病も、本来はまれな疾患である」というペイジ博士の言葉の実現に向け、OHISを日本の歯科医院に提供して歯周病予防に取り組んでいます。